サニーサイド四畳半

女児向けアニメ好きゲーマーによるゲームブログです。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』 ヤーナムよいとこ一度はおいで

PS4待望のキラータイトル、『Bloodborne』のレビューです。

これまでわざわざPS4を買う、という行為は、よほど最新ハードは触れてみなければ気が済まない、という人間以外にはおすすめできなかったのですが、やっと「このゲームの為ならばPS4を買う価値がある」と言えるようなタイトルが発売されましたね。

ちなみにソウルシリーズは『DARK SOULS Ⅱ』しかプレイできてないので、過去作との比較は十分には出来ないのでご了承ください。

 

「攻め」の姿勢が推奨される戦闘システム

本作のプレイヤーキャラクターは、基本的に右手に変形機構を備えた近接戦用武器、左手に銃器を携えており、基本操作から「ガード」はオミットされています(例外アリ)

19世紀のヨーロッパという世界観はこのゲームデザインから逆算した結果とのことですが、そんな前後関係は言われなければ気づかない程に、本作の舞台は魅力的です。

月明かりに照らされる、美しくも陰鬱な雰囲気の街並みや古城、そこを徘徊する気が触れた住人や異形の者たち。彼らを切り裂くたびに色彩を抑えた風景に飛び散る鮮烈な赤は、幻想的ながら息を飲むリアリティを持ち、プレイヤーの目を画面に引き付けて離しません。

 

ダクソ2では、フィールドに配置された敵キャラクターと対峙した際、ガードと回避を駆使し敵の攻撃パターンを見極め、十分な対策を施すことが勝利への鍵となる戦闘システムでした。

『Bloodborne』でもガードが無い点を除けばこの流を汲んでおり、無策に武器を振り回していて攻略が捗ることはまずありません。しかし「攻撃」と「回避」の選択肢においては、「攻撃」のメリットがやや多い、「攻め」の姿勢が推奨されるバランスとなっています。このバランスに特に貢献しているのが、「リゲイン」と「内臓攻撃」。

リゲイン」は、敵から攻撃を受けてから一定時間内に攻撃し返せば、その分だけHPが回復するというシステム。従来ならばダメージを受ければ距離を取り、より慎重に行動しがちでしたが、本作ではあえて懐に飛び込み、斬られたら斬り返す方が功を奏す局面が増えました。

「内臓攻撃」は敵の攻撃モーション中に銃撃を与えるか、背後からチャージ攻撃を当て、怯んでいる間に至近距離で攻撃すると発生し、敵に致命傷を与えることができます。この戦局をひっくり返す一撃の存在が、戦闘にメリハリを与え、これをガンガン狙えるようになった時の快感が、上達の悦びを大きく底上げしています。

 

ディレクターの宮崎英高氏は本作の戦闘のテーマとして「死闘感」という言葉を用いました。

よりスピーディーになった攻防の駆け引きの中、反撃によってHPを奪い返し、「内臓攻撃」を叩き込むべく敵の隙を狙う本作の戦闘は、自然と身を守るより相手の命を奪う為の立ち回りが出来る、実に満ち足りた「殺し合い」を提供してくれました。

本作プレイ時の僕は、盾を構えて敵の出方をうかがい、ダメージを受ければ回復薬がぶ飲みだったダクソ2プレイ時の僕よりも、数段血の気が多くなっていたことでしょう。

 

『Bloodborne』のマップデザインの半分は優しさでできている

本作は戦闘のゲームスピードがアップし、より反射神経が求められる、アクションゲーマー向けの調整になっており、『DARK SOULS Ⅱ』と比較し「どちらが高難易度か?」という問いへの答えは、個人の適正に大きく依存するものと思われます。

しかし質問を「どちらがストレスフリーか?」に変えた場合、間違いなく軍配が上がるのは『Bloodborne』の方でしょう。

プレイヤーキャラクターの機敏なレスポンスや、死のペナルティに最大HPの減少が無いのも大きいですが、特筆すべきはマップデザインの妙。

 

本作は言わずもがな死んで覚えるタイプのゲームです。リトライポイントである篝火を拠点とし、何度も同じ道程を往復することで、敵の配置や持っていくべき装備品を覚え、攻略に繋げていきます。しかし篝火から遠く離れた場所に「難所」があれば、ここを攻略するためにもう慣れてしまった箇所まで何度もやり直すのはやはり苦痛。

本作では探索を進めるといくつものショートカットが見つかり、無駄な往復によるストレスが緩和されています。

またこの仕様は「あの場所がここに繋がっているのか!」という発見の気持ちよさにもつながっており、シームレスで立体的なマップ構造をプレイヤーの探索へのご褒美として機能させる、とても良い仕事をしています。

 

もう一つ感じたのが、「落下死を防ぐ為の配慮」。

ソウルシリーズ及び『Bloodborne』は敵の攻撃が苛烈で、敵をロックオンしながら距離を開ける為にじりじりと後退したり、回り込んだりする局面は多く、敵への対処で精一杯の中、地形まで考慮に入れた立ち回りが出来るプレイヤーは多くはないかと思います。『DARK SOULS Ⅱ』は右も左も崖に囲まれた地形で戦うシチュエーションも多く、落下死が頻発しており、「敵との戦闘を楽しみたいのに落下で死ぬのは理不尽!ソウルシリーズに求める難しさじゃない!!」といった批判も見かけました。

この批判の妥当性はさておき、『Bloodborne』のマップデザインはこういったプレイヤーへも配慮した優しさに満ちたものになっています。

本作にも崖は沢山出てきます。しかしほとんどの場合、「右」が崖なら「左」は壁、「左」が崖なら「右」は壁になっています。これによって、壁を背にして戦うことだけ意識すれば、落下死の危険は格段に減らすことが出来るようになりました。

 

『Demon's Souls』と『DARK SOULS(Ⅰ)』がどうだったかは分かりませんし、『DARK SOULS Ⅱ』とある程度同時進行で開発していたという本作がプレイヤーの声を反映してこのようなマップになった訳では無いかも知れませんが、『Bloodborne』は戦闘がプレイヤーに試練を与える「鞭」なら、マップデザインはプレイヤーへのストレスを最小限に抑える為の「飴」であり、「苦しみ」の対象は戦闘に絞られ、マップ探索は発見と踏破の喜びに溢れた「優しさ」すら感じる親切設計となっているのです。

 

踏み出す勇気に報いてくれるゲーム

他に言及すべき点を簡単に纏めると、

・当初はロード時間の長さが批判の的になっていましたが、現在はアップデートで改善されている模様(模様、というのは、アプデ後ガールズモードとゼノで忙しく、遊べていないのです。ごめんなさい。)

・聖杯ダンジョンに関しては、ここでしか出会えない手強いボスキャラクター等が魅力ではあるものの、おまけの域を出ていない印象

といったところでしょうか。いずれも、本作の楽しさの前には些細なこと。

 

『Bloodborne』は、ハイスペックなゲームハードをわざわざ買い、その上で試練までも乗り越えなければ得られない達成感を求める人々の期待に、しかと答える傑作でした。

このゲームをプレイしていると、何度も「後退」したい瞬間があるかと思います。初見の敵が、おぞましい攻撃を繰り出してきたとき、この先に何が待ち受けているのか分からず、不安でたまらないとき。

そんな瞬間に一歩踏み出して、敵との間合いを詰める、先へ進む…

『Bloodborne』は、そんな「勇気」に報いてくれるゲームです。勇気ある行動には敬意ある態度を取ってくれる、そんな厳しくも優しいゲームなのです。

 

尚、踏み出した結果、多大な損失を被ることもありますが、当ブログは一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。