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サニーサイド四畳半

女児向けアニメ好きゲーマーによるゲームブログです。

『残懐』 丁寧な心理描写が持ち味のシリアス系フリーノベルゲーム

今年の僕の目標は「PCを買い替える」、「英語のゲームを臆せずプレイする」、「フリーゲームを開拓する」の3つなのですが、さっそく最近出たフリーゲームを物色していて目に留まった『残懐』をプレイ。

面白かった、という表現が適切かどうかは分かりませんが、非常に引き込まれる内容でした。

 

『残懐』は8Pieceが手掛けたフリーのノベルゲーム。

主人公は若手刑事の向井志郎。ある日、警察署に1人の少女が連れてこられます。4人の男達を次々に殺していったという少女は、殺人の手段や動機について、何も答えようとしません。この事件の真相を探るのが、本作の目的です。

システムは選択肢で展開が変化するよくあるタイプのもの。エンディングは3種類で、全て読み切るまでの所要時間は大体3時間程度の短編です。

 

ダウンロードサイトにも明記されている通り、本作は超常的な能力を持った人間が登場するファンタジーで、リアルなサスペンスではありません。しかし物語の中で語られる登場人物の心理描写は非常に丁寧で、実際に起こりうる、または起こっているであろう事件によって、「大切な存在」を失った人間の悲しみや痛み、それらの感情を受け止めようとする主人公の想いが刻銘に描かれています。

僕は登場人物の気持ちを理解し切れるような体験をしたことはありませんが、その丁寧で鬼気迫る描写には違和感がなく、リアリティを感じることが出来ました。

文体も非常に読みやすいもので、だからこそ少々の誤字脱字や、背景イラストとの矛盾が目立った点は残念。

 

序盤はコメディ的な要素も交えつつ、後半に向かうにつれ、物語はやり場のない怒りや悲しみに満ちた展開となります。

エンディングは3種類ですが、ハッピーエンドは無く、どの結末が彼らにとって一番良かったかは、プレイヤーの解釈に委ねられる形となっています。

終盤やエンディングは一層ファンタジーに寄った展開ではあるものの、彼らの想いの「落としどころ」自体は、現実に有り得るものとして考えられるものだと感じました。

 

ハッピーエンド至上主義の方や、スッキリしたラストを求める方に勧められる作品ではありませんが、非常にパワーのある作品です。

 

ダウンロードはこちらのサイトから