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『Monument Valley -Forgotten Shores-』  完成度を増したスマホゲーマー必携パズル

『Monument Valley』はエッシャーの「だまし絵」をギミックに組み込んだパズルゲーム。2014年4月3日にiOS版が、5月14日にAndroid版が発売され、世界的に大ヒットを記録しました。

今回は11月12日に配信が始まった、全8ステージの追加コンテンツ『Forgotten Shores』を含めたレビューを掲載します。

 

若干の息切れが感じられたオリジナル

『Monument Valley』はステージクリア型のパズルゲームです。

プレイしていて強く印象に残るのは、魅力的なアートワーク。背景にもエッシャーのモチーフが散見される幾何学的なグラフィックは、多くを語らないストーリーや統一感のあるサウンド、後述するゲームデザインと相まって、幻想的な世界観を作り出しています。

ゲームとしては、画面をスワイプしステージを回転、変形させ道をつくり、主人公「アイダ」をゴールまで導くのが各ステージの目的です。

このステージを回転、変形させた際、道が「繋がっているように見える」ならば、繋がっているものとして利用可能であることが本作のミソ。この点は『Fez』にも通ずるものがありますが、『Monument Valley』はだまし絵をモチーフにしているため、高低差に対しての「目の錯覚」や、ねじれた道がありえない場所に繋がる等のギミックも含みます。

 

『Monument Valley』の不満点としてよく挙げられるのが、「難易度の低さ」と、だいたい1時間半ほどでクリア出来る「ボリュームの薄さ」。

難易度に関しては、プレイしたすべての人がラストまでたどり着けるよう調整を行ったとのことで、その意味では実に適切なものだったと言えます。

ボリュームに関しても、定価400円という点を考慮に入れれば、クリアまでに掛かる時間が約1時間半というのは決して短くは無いと個人的には考えます。逆に、あれ以上水増しをされたら僕は評価を下げていたことでしょう。

というのも、エッシャーは様々なパターンのだまし絵を描いた画家ですが、その中で『Monument Valley』のギミックとして使用されているのは、距離感や高低差、角度の錯覚を利用しただまし絵のみで、これらの新鮮さは中盤あたりから薄れていきます。

後半ステージも良質なパズルではあるのですが、本作ならではの目を奪われるようなギミックの引き出しは、決して多いとは言えないのです。

そのままむやみやたらにステージ数を増やしても、それはゲーム体験の密度を薄める事となり、個人的にはその方が悪い印象を受けたと思います。

ギリギリ水増し感は受けなかったものの「体験の密度」の点において、『Monument Valley』をクリアし終えた感想は、「ちょっと期待しすぎたかな」というものでした。

 

追加コンテンツのあるべき姿

そしてオリジナルから半年、追加コンテンツ『Forgotten Shores』*1が配信されました。

システムや基本的なルールに追加、変更は無いのですが、「見せ方」がオリジナルと比べよりバリエーションに富んでおり、時間をかけてアイデアを熟成させたことが分かる出来になっています。

雰囲気、ギミックはステージごとに一層差別化が図られており、無印には無かったコミカルな演出や、アイダと友達の「トーテム」に関するドラマ等、オリジナルを遊んだ後でも新鮮に感じられる展開が最後まで続き、全8ステージを一気に駆け抜けてしまいました。

特に本作のハイライトだと感じたのは、ステージ4「ハルシオンの庭園」終盤のギミック。オリジナルでは使われていなかった有名なだまし絵をモチーフとしながら、実に理にかなった形でゲームのギミックに落とし込んであり、正に「だまし絵パズル」の面目躍如と言える出来となっています。

 

半年待った甲斐があった

『Forgotten Shores』は、だまし絵だけに囚われない「ふしぎ空間」としての『Monument Valley』の魅力を、より活かし、増強し、拡張した魅力的な追加コンテンツでした。

オリジナルから多少間が空いたとしても満足できるものを作ろう、というクリエイターの真摯な想いがプレイを通して伝わってくるようでした。

本編と合わせても3時間にも満たない、短い旅路でしたが、本作をプレイしている時間は、僕にとって「至福」そのものだったのです。

 

追記:現在は『Forgotten Shores』に加え、最終章『Ida's (RED) Dream』も配信中。こちらも有料ですが、絶対に損はしないと言える出来でした。アイダの最後の冒険を、是非見届けてください。

*1:アンロックには別途200円が掛かります